進興電気製造株式会社
ISO14001/9001
技 術 資 料
1.電力密度と表面温度 3.シーズヒータの腐食 4.シーズヒータの寿命
2. 良 い シ ー ズ ヒ ー タ と は (論理的特性上の問題として)
良いシーズヒータの条件
(2-1)熱抵抗が小さいこと。
(2-2)表面熱抵抗が小さいこと。
(2-3)時定数が小さいこと。
(2-4)絶縁抵抗が大きいこと。
(2-5)リーク電流(もれ電流)が小さいこと。
(2-6)消費電力の熱変化が少ないこと。
(2-7)寿命が長いこと。
これらの項目を論理的に解説し、具体的方策について概略を述べます。
(2-1).熱抵抗 (内部発熱体からヒータ表面への熱伝導に対する抵抗。)


  r1:発熱体の半径

  r2:パイプの内半径

  r3:パイプの外半径

1/ρT1:絶縁粉末の熱伝導率

1/ρT2:パイプの熱伝導率
  熱抵抗RT(単位長当り)は次式で表される。


    =ρT1/2π log(r2/r)+ρT2/2π log(r3/r2)

  ここでRTは小さいほど良いので
   イ. 絶縁粉末のρT1を小さくするのが良い。
     そのためには絶縁粉末の充填密度を高める。
   ロ. r2/r1を小さくする。― ヒータの外形に対して発熱体の径を大きくするのが良い。
   ハ. ρT2を小さくする。 ― 熱伝導率の良い材料を使う。
   ニ. r3/r2については金属パイプの肉厚が薄いため特に考慮する必要は無い。

(2-2).表面熱抵抗(表面放熱抵抗)

   ヒータ表面の熱流 I は
         I = h・s・θ         s :表面積、θ:温度差、h:熱伝達係数
   と表される。よって熱抵抗RT
     RT=θ/ I = 1/ n・s となる。
   ここでθ/ I は小さいほど良いので
    イ. 表面積 S が大きいほど良い。―  気体加熱等の場合はフィン付きヒータが効果的です。
    ロ. r は物体の物性や流速により異なる。―  ヒータ表面の色によっても異なる。(黒色が効果的です。)

(2-3).時定数 (昇温時間)
   シーズヒータは出来るだけ短時間で昇温するのが望ましい。
   シーズヒータの発熱体からの熱の流れ(熱流)に着目して試算すると、次のようになります。
シーズヒータに電圧を印加する。そのときの熱流をIとするとシーズヒータ自体に吸収される熱流をi1、温度上昇により外部に対する漏れる熱流をi2とすると

          I=i1+i2

加えた熱流がすべて外部へ漏れるにいたって温度上昇は止まる。この温度を飽和温度と呼ぶ。
この熱流の流れを電気的等価回路で書くと
        
 I=i1+i2
θ=(∫i1dt)/c=Ri2
   過渡現象の理論から定常値までの過渡値を上式より導くと
    θ=RI(1-ε-t/cr
   このCRは時間のデメンジョンを表し、時定数と呼ぶ。
      t=CRの時
    θ=RI(1-ε-1)=RI(1-0.368)=0.632RI
   すなわち一定熱流で加熱する場合の最終の温度の0.632に達するまでの時間が時定数と等しくなる。

   シーズヒータの場合時定数が小さいほど良好である。
    イ. ヒータ自体に吸収される熱流i1を少なくする。 ⇒ ヒータ自体の質量自体を少なくする。

(2-4).シーズヒータの電気絶縁抵抗

  

  シーズヒータの単位長当りの電気絶縁抵抗は
 
   ρは絶縁体の電気抵抗率で温度により大幅変化する。
   シーズヒータに使用されるマグネシアは温度上昇とともに指数関数的に減少する。
    ここでρ=f(x)とすると   (A、B 材料の固有定数)
     ρ=f(x)=A10+B
    したがって
     R=1/2π(A10+B)log(r2/r1) 〔Ω/m〕
    となる。
   ここで、絶縁抵抗 R は大きい程良いので
     イ. 絶縁粉末の ρ ( または A 及び B ) の大きいもの。
        良質の絶縁粉末を使う。
     ロ. r2/r1 を大きくする。 ― ヒータパイプ内径に対して発熱体の径を小さくする。 
                       このことは前述の熱抵抗を小さくする項目と相反する。
     ※要注意
       発熱体の径を小さくすることは、良いシーズヒータの条件とはならない。
(2-5).リーク電流 (もれ電流)の小なること。
     イ. 絶縁粉末中に不純物等の無きこと。
        不純物はコロナ放電を誘起し、長時間使用中にアーク放電へ移行し、絶縁破壊を起こすことがある。(要注意)
     ロ. 絶縁粉末の充填密度を高める。 ― MgO 空乏層が放電を誘起する。
(2-6).消費電力の熱変化が少ないこと。
     イ. 発熱線の材料には注意すること。
         一般に電気抵抗は次式によって温度抵抗変化をする。
            R = R0( 1 + αt + βt2 + γt3+・・・・・・・・・・・・・・・・・
           ただし、α、β、γ・・・・・・・・は温度変化の係数である。第 3 項以後の係数は微小であるため
           一般に省略される。
     ロ. 発熱線の温度が高くならないようにすること。 ―  発熱線の表面電力密度を低くする。
(2-7).寿命が長いこと。(パイプの腐食等による劣化は別とする)
     イ. θT(発熱部と外部との温度差)を小さくする。
            θT = RT・IT   即ち RT(熱抵抗)を小さくすること。
≪まとめ≫ 良いシーズヒータとは 「熱抵抗」、「時定数」、「絶縁抵抗」の3つの項目に留意し、充実すれば
        放電破壊の問題、表面電力密度の問題、内部温度上昇による絶縁低下、寿命の問題も解決できる。


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